中絶薬(効果・副作用・リスク)

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【2023年5月更新】
中絶薬の効果と副作用は?日本国内でも承認

厚生労働省は、2023年4月28日、製薬会社ラインファーマ株式会社が承認申請をしていた“中絶薬”の製造販売を承認しました。経口中絶薬の承認によって今後、日本でも中絶の選択肢が広がっていく見込みです。

中絶薬というと「薬を飲むだけで中絶が完了する」と考える方がいるかもしれませんが、実は副作用やリスクがあり「費用が安いから」「手術しなくていいから」という理由だけで手に取るのは危険です。中絶薬での中絶方法について理解を深めた上で検討する必要があります。

では、中絶薬は、どのような薬なのでしょうか?以下でくわしく見ていきましょう。

中絶薬の詳細

現在、世界82の国や地域で、妊娠初期の中絶に経口妊娠中絶薬を使用することが認められています。また、世界保健機関(WHO)でも安全で効果的な方法と推奨されている中絶方法です。

ただし、中絶薬は決して手軽な中絶方法ではありません。医師の処方が必須かつ入院して経過観察するよう求められております。患者様がご自身で中絶薬を服用し、中絶を行うようなことは、2023年5月現在では認められていない方法です。自己判断による中絶薬の使用は危険なため、海外の市販や通販などで購入・使用することがないようお気を付けください。

※上記は2023年5月時点の情報であり、変更される可能性があります

中絶薬の効果

中絶薬は、ミフェプリストンミソプロストールという2種の薬剤で構成されています。

中絶薬であるミフェプリストンを内服すると、黄体ホルモン(プロゲステロン)の働きが抑制されます。黄体ホルモンは、妊娠を維持するためには欠かせないホルモンなので、この働きが抑制されると妊娠の継続は不可能となります。

そこにミソプロストールを内服すると、子宮の収縮が促されて、子宮内容物が体外に排出されるという仕組みです。2つの薬剤の効果を組み合わせて、妊娠中絶を可能にしています。

中絶薬の失敗率は8%

中絶薬の失敗率は8%

中絶薬の内服で中絶が確実に成功するかというとそうではなく、およそ8%の失敗率があるとされています。

中絶薬には、腟からの大量出血や腹痛、まれに感染症につながる副作用が起こるリスクがあります。また、異所性妊娠である場合には、卵管破裂が起きて腹腔内出血を引き起こす可能性もあり、中絶薬の使用前には産婦人科での内診や経膣超音波検査を行うことが望ましいです。万が一自己判断で服用されて失敗し、救急搬送された場合、症状によっては適切な処置が受けられない可能性もあります。

人工妊娠中絶手術に比べて中絶薬は費用が安く済むため、購入を検討されている方もいるかもしれませんが、中絶を簡単に行えるわけではないのです。中絶薬の失敗率や危険性などを理解し、自己判断での購入や服用は避けましょう。

経口中絶薬を使えない人とは?

日本で承認見込みの経口中絶薬メフィーゴパックに含まれるミフェプリストンについて、以下の方は服用ができません。

  • 最後の月経開始日から70日以上を経過している妊娠している人
  • 子宮内避妊具(IUD)を装着している人(ミフェプレックス服用前にIUDを外す必要があります。)
  • 子宮外妊娠(卵管妊娠)と診断された人[注(添付文書より訳出):子宮外妊娠(卵管妊娠)に対する中絶効果はない]
  • 副腎に障害がある人
  • 抗凝血薬を服用している、又は出血傾向がある人
  • ステロイド剤を服用している人
  • ミフェプリストン、ミソプロストール又は同種の薬に対するアレルギーがある人
ミフェプレックス(MIFEPREX)(わが国で未承認の経口妊娠中絶薬)に関する注意喚起について

上記に該当するかわからない場合には、医師に必ず確認しましょう。

中絶薬の副作用一覧

中絶薬の副作用は主に下記のような症状が挙げられます。

副作用
  • ・出血
  • ・頭痛
  • ・腹痛、腰背痛
  • ・発熱、悪寒
  • ・下痢
  • ・吐き気
  • ・めまい

中絶薬の危険性とは?

中絶薬を使用したときのリスクや危険性について、一緒に見ていきましょう。

大量出血で命の危険も!

中絶薬のリスクとして、腟からの出血が挙げられます。これが大量出血だった場合は、外科的処置を施さねばならないケースもあり、危険な状態になることが想定されているのです。さらには、大量出血が原因となって命を落とす可能性も否定できません。

個人輸入やネット通販での購入は?

2023年4月28日に、日本でも経口中絶薬「メフィーゴパック」の製造販売の承認がおりましたが、登録された医療機関のみで使用が可能となります。ドラッグストアなどの市販では購入できません。個人輸入で購入して中絶薬を使用した場合、「刑法」によって、罰せられる可能性があります。一般の人が堕胎することは、自己堕胎罪と呼ばれる罪にあたり、法律で禁止されているためです。これは、自分のお腹の中の胎児であっても変わらず適用される法律ですので、くれぐれもご注意ください。

また、「ミフェプレックス」(一般名:ミフェプリストン)の個人輸入での購入については、数量を問わず、医師の処方箋もしくは指示書に基づいた手続きがない限り不可です。海外ではすでに中絶薬が承認されている国もありますが、購入できるサイトを見つけても安易に購入しないようにしましょう。

厚生労働省では、中絶薬の販売がある国のミフェプレックスの販売表示名を記載しています。以下の表記の薬剤は、個人輸入はできませんのでご注意ください。

  • 一般名:ミフェプリストン(MIFEPRISTONE)
  • 商品名:ミフェプレックス(MIFEPREX)(開発時の名称である「RU486」とも呼ばれています。)
  • 欧州においては ミフェジン(MIFEGYNE) の商品名で販売されています。
  • 中国では 息隠(米非司酉同片) の商品名で販売されています。
  • 台湾では保諾(Apano)の商品名で販売されています。
ミフェプレックス(MIFEPREX)(わが国で未承認の経口妊娠中絶薬)に関する注意喚起について

妊娠したかも?と思ったら
すぐに婦人科へ

妊娠したかもと思ったらすぐに婦人科へ

日本では承認されておらず、大量出血の危険性もある中絶薬ですが、下記のような理由で使用を検討される方もいらっしゃいます。

  • ・病院に行かずに中絶ができるから
  • ・値段が安いから
  • ・親にバレずに中絶できるから

しかし、中絶薬は命の危険を伴う大きなリスクがあり、万が一大量出血してからでは、適切な対処ができない可能性もあります。また、手軽に手に入ったとしても、確実に中絶できるわけではありません。妊娠したかも?と思ったら、自己判断で中絶薬を使用するのではなく、必ず婦人科を受診しましょう。

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予期せぬ妊娠に悩む方に寄り添います

天神駅前婦人科クリニックは、プライバシーに遵守した環境で診察・手術を行っています。そのため、他の患者様に診察内容を知られることはありません。また、患者様のプライベートについて、余計な詮索をしたり、叱責したりすることもございません。

中絶薬は仮に承認されたとしても、入院して経過観察が必要とされており、失敗する方も一定数見られています。日帰り手術で確実性がある中絶手術と、手軽で費用も安い中絶薬では、比較するのはとても難しいですが、選択肢が増えることによって、患者様のご希望に沿った中絶が可能になっていくといえます。

望まぬ妊娠をされた場合、いつまでもお一人で悩まれてしまうと、中絶できる期間を過ぎてしまう可能性があります。妊娠に気づかれたら、できるだけ早く当クリニックにご相談にいらしてください。患者様のお気持ちに寄り添い、親身になってサポートをさせていただきます。

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